不正な取引を行うためにダミー会社が設立されるケースは珍しくありません。また、会社は設立されたものの事業活動を一切行わず、登記簿上にのみ存在するケースも多く見られます。さらに、実際には存在しない住所で会社が設立される事例も後を絶ちません。こうした不適切な住所登録を防ぐため、多くの行政機関では新規登録の承認前に現地調査を義務付けています。会社登記においても同様の措置が講じられています。
「2022年会社(設立)第3次改正規則」により、会社の登記上の事務所に対する現地調査に関する新たな規定が設けられました。この目的のため、「2014年会社(設立)規則」に新たに第25B条が追加されています。
「2022年会社(設立)第3次改正規則」の規定の概要は以下の通りです。
1. 現地調査の手続き
- 2013年会社法第12条第9項に基づき、登記官が当該会社が事業活動を行っていないと判断する合理的な理由がある場合、登記官は当該会社の登記上の事務所に対して現地調査を実施することができます。
- 現地調査の実施手続きは、2014年会社(設立)規則の第25B条に規定されています。
- 登記官は、MCA 21(企業省のオンラインシステム)で入手可能な情報や書類に基づいて現地調査を行います。
- 現地調査は、登記上の事務所が所在する地域の独立した証人2名の立ち会いのもとで行われます。必要に応じて、登記官は現地警察の協力を求めることができます。
- さらに、登記官はMCAポータルに提出された書類の写しを携行し、現地調査で入手した書類と照合することで、提出書類の真正性を確認します。
- また、登記官は現地調査の実施中に、登記上の事務所の写真を撮影するものとします。
2. 会社の現地調査に関する報告書
現地調査の報告書には、以下の詳細を記載する必要があります。
- 会社名およびCIN(会社識別番号)
- MCA 21の記録に基づく登記上の事務所の最新住所
- 登記官が発行した授権状の日付
- 登記官の氏名
- 登記上の事務所の現地調査を行った日時
- 目印を含む所在地詳細
- 訪問時に立ち会った人物がいる場合、その詳細:-
- 氏名
- 父の氏名
- 居住地住所
- 会社との関係(該当する場合)
- 備考(ある場合):-
- 添付が必要な書類:-
- 所有者/賃借人/貸主による登記上の事務所の契約書/所有権証明書/賃貸借契約書/異議なし証明書(NOC)の写し
- 登記上の事務所の写真
- 立ち会った人物の本人確認書類(自己署名入り)
3. 登記簿からの会社名の抹消
- 会社の登記上の事務所が、通知の受領および確認ができないと判断された場合、登記官は当該会社および全取締役に対し、登記簿から会社名を抹消する意向を通知します。
- 会社は、通知日から30日以内に必要な関連書類を提出しなければなりません。